近年、労働者の受けるストレスは拡大する傾向にあり、仕事に関して強い不安やストレスを感じている労働者が6割を超える状況にあります。また、精神障害等に係る労災補償状況をみると、請求件数、認定件数とも近年、増加傾向にあります。このような中で、心の健康問題が労働者、その家族、事業場及び社会に与える影響は、ますます大きくなっており、事業場においてより積極的に労働者の心の健康の保持増進を図ることは非常に重要な課題となっています。
このため、厚生労働省では、平成12年8月に策定した「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」を見直し、労働安全衛生法第70条の2第1項に基づく指針として、新たに「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が策定されました(平成18年3月31日健康保持増進のための指針公示第3号)。
この指針は、次のような内容です。
| 項目 | 区分 | 内容 |
|---|---|---|
| 衛生委員会での調査審議と「心の健康づくり計画」 | 事業者は、労働者の意見を聴き、産業医など産業保健スタッフ等の助言を得ながら、衛生委員会等において心の健康づくり計画を策定する。 | |
| 4つのケア | セルフケア | 労働者がみずからの心の健康のために行うもの 1 自分のストレスへの気づき 2 ストレスへの対処法の理解と実行 |
| ラインによるケア | 職場の管理監督者が労働者に対して行うもの 1 職場環境等の改善 |
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| 事業場内産業保健スタッフによるケア | 事業場内の産業保健スタッフ(産業医、衛生管理者等、保健師等)、心の健康づくり専門スタッフ(精神科・心療内科等の医師、心理職等)、人事労務管理スタッフ等が行うもの 1 セルフケア、ラインによるケアに対する支援の提供(相談対応や職場環境等の改善を含む。) 2 心の健康づくり計画に基づく具体的なメンタルヘルスケア実施の企画立案 3 メンタルヘルスに関する個人情報の取扱い 4 事業場外資源とのネットワークの形成とその窓口となること |
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| 事業場外資源によるケア | 都道府県メンタルヘルス対策支援センター、地域産業保健センター、医療機関他、事業場外でメンタルヘルスケアへの支援を行う機関及び専門家とのネットワークを日頃から形成して活用すること。 | |
| 具体的進め方 | 教育研修・情報提供 | 1 労働者への教育研修・情報提供 2 管理監督者への教育研修・情報提供 3 事業場内の産業保健スタッフ等への教育研修・情報提供 |
| 職場環境等の把握と改善 | 1 職場環境等の評価と問題点の把握 2 職場環境等の改善 |
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| メンタルヘルス不調への気づきと対応 | 1 労働者による自発的な相談とセルフチェック 2 管理監督者、事業場内の産業保健スタッフ等による相談対応 3 労働者の家族による気づきや支援の促進 |
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| 職場復帰における支援 | 1 職場復帰プログラム(復職の標準的な流れ)の策定 2 職場復帰プログラムの体制や規程の整備 3 職場復帰プログラムの組織的、計画的な実施 4 労働者の個人情報への配慮及び関係者の協力と連携 |
表の出典:川上憲人、産業医の職務Q&A第8版、185ページ、2006、(財)産業医学振興財団(一部改変)